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クロウカシス 七憑キノ贄(Innocent Grey)の感想。
ネタバレ追記へ。
苦労してコンプしても割に合わないほど心に残らない残念なシナリオゲー。

■キャラ・シナリオ
主人公がヤリチンすぎた。
恋愛描写が全くないのに急に好き好きいいすぎ。
何人もの女に手を出して、毎回「○○さんは僕が守りますから(キリ」とか情事の後に囁いてる。
守るということを口実に暴走し過ぎ。
他にもレイパーになったりと行動が残念。
主人公もだけど、ヒロインたちも思考回路と行動がおかしい。
いきなし襲いかかってエロ、死にそうになって助けてもらったからエロ、吊り橋効果でエロetc。
無理やりエロ展開多い気がする。
過去作のように、サブキャラ抱いた後にバッド直行とかサブヒロインルートに移行するシナリオだったらよかったのに。
閉鎖されてなおかつ限られた時間内でのシナリオだから難しいかもしれないけど、もう少し違和感なくHシーンを入れてほしかった。
各ヒロインのtrueルートだとそのルートのヒロインとのHシーンないし、選択肢で確かエロ回避できるから、エロ展開はイフですよってことかね。
後、主人公達が探偵設定ないのに場を仕切ってるのも腑に落ちない。
内部の人間じゃないからという理由だけで大学生の主人公たちがリーダーシップをとるのは疑問が残る。
他にもなぜか内部の人間より信頼されていたり、犯人扱いされていなかったりと設定に無理がある点がある。
ヒロインは過去作の冬子や凛のような魅力的なヒロインがいなかったのも残念。
魅力あるキャラがいなかったので、いつものようにヒロインが殺されても鬱にならなかった。
やっぱり、圧倒的に描写と親密期間の時間が足りない。
また、犯人に狂気が足りない。
想子は理性的で関係ない人殺したり、他の人に罪をなすりつける小物。
過去作の犯人と比べても大分パンチが足らず役者不足。
破綻したキャラが犯人じゃないとこういう猟奇ものは面白みが薄れる。
奥様は過去の所業はすごいけどすっかり丸くなって言い逃れしかしないし、詩音は論外。

後、犯人の独白が欲しい。
手記でかかれたのを読んだり、回想で真相が判明しても面白くない。
それとどうでもいいけどイノグレは双子とか姉妹が本当好きだな。
過去作振り返ってみたら…。
そろそろ姉妹ネタも飽きてきたんで趣向を変えてほしいね。
後、何年も引きこもってる詩音が咄嗟に男の六曜を髪の毛で首絞めて気を失わせるって
腕力的に無理があるんじゃないかと思った。
しかもその後六曜の部屋に運んで首切るとか現実的に無理。
大の男一人運ぶのって相当つらいと思うんだけどな。
想子も人の死角をついて毎回ばれずに殴れるのは都合良すぎと思った。
どうでもいいけど人死にすぎ。
最初やったルートが7人も死んで、残りの人が4人しかいなくて泣いた。
てかこれ言ったら話進まないからできないんだろうけど、大広間に全員でいれば万事解決だよね。
どいつもこいつも個人行動したり人が何人も殺されてる状況でひとりになったりと、殺されて自業自得感があった。
他に詩音や藍が不憫すぎ。
藍はtrueなのに理不尽に殺されて救済措置なし。
詩音は鬼畜六曜ルート以外結局六曜殺しちゃうし、trueでさえ眼見えなくなるとか散々な扱いだった。
まあ前作よりはましか。ただ、前作はドラマCDで救済あるからなあ。
にしても攻略ってのは名ばかりで、主人公は詩音を攻略できないのね。
まあ特に思い入れないんで、別にいいけどさ。


■システム
選択や探索がめんどくさすぎて途中から、攻略サイトに頼ってしまった。
ただ、その攻略サイト通りやって、既読スキップフル活用しても同じ文章でもスキップできない文が
たびたびあったりと、作業感がひどい。
というか共通多すぎ。
ルートたくさんあるけど話に大差なかったり、エピローグが違うだけだけでほとんど共通だからだるい。
trueも想子と詩音が抱き合う場面が感動するところなんだろうけど、圧倒的描写不足で完全に置いてけぼりくらった。
それと何故か攻略サイト見ても紅緒のノーマルENDに行けず結局何回も同じとこを再プレイする羽目になる。
このシステムはダメだな。
自力攻略した人はすごい。
とどのつまり、総当たりプレイで推理するよりも作業感の方がはるかに勝る。
というか殻ノ少女でも思ったけど、これ推理して犯人わかるものなのか。
聞き込みと部屋探索が苦痛でしょうがない。
移動パートの部屋選択はノーヒントだし、聞き込みの回答は「わかりません。部屋にいました。他の人のことは知りません」
がほとんどだから聞く気も失せてくる。
探偵ノートがあるんだから、そのときのアリバイと不信に思ったことを一気にノートに記されるシステムにしてくれればいいのに。
やるならやるでできるだけ作業感を減らしつつ時間制限や縛りのない自由度があるシステムで作ってほしい。
結局のところ、今作のシステムは90年代の臭作や絶望等の作品とほとんど同じ。
せめてフローチャート作って穴埋め形式のシステムにしてくれれば、やる気も倍増するんだけどな。
最近のイノグレの作品は選択肢の煩雑さに耐えられなくなってきた。
いっそのことカルタグラやPPのように、探偵システム切り捨てて、ノベルにしてもいいと思う。
今作のようにノベル少なめの選択肢だらけの展開になるとキャラの紹介や掛け合い、魅力も半減されてしまうのも残念。
そうなると話に重みがなくなり、短編の推理小説を読んでいるかのようで、あえてこのゲームをやる必要もなくなる。


■エロ・絵
エロは1シーンで2~4枚CG入るほど気合入ってて良かったけど、別にキャラに魅力を感じなかったから
杉菜氏のCG集を見てる感じでスルーしてしまった。
いや絵は最高なんだけどねえ。
また、今回はいつものように見るに堪えない猟奇的なCGがないんで拍子抜けした。
死体の顔ってインパクトを与える重要なファクターなんだなと思った。


■その他
以下。全部やってもよくわからなかったこと。読解力不足と読み飛ばしかもしれないけど
真相を想像にお任せになっている点が多すぎ。

・厨房を爆破した理由
→?
・藍がメモを燃やした理由
→?
・詩音が自作自演で致死量にならない毒をもった理由
→?
・御巫先生を殺した人と殺された理由
→詩音はありえないから。想子。
隣ドア開いてて密室潜り抜けた?これもそうだけど
紅緒が殴られた時も隣ドアからさりげなく出た?
結局、真相とか話してくれない。
先生が殺されたのは愛人だから?
・高峰の写真立てに写っているのは?
→姉妹の写真?
・停電の意味
→必要性なし?
・隣部屋の鍵設定に意味あったの?
→意味なし。隣鍵設定って色々使えると思ったんだけど何も活用してない。
・六曜以外の首はどこいった
→外?
・あかねと六曜の関係
→性奴隷的な?
・六曜が犯行現場に持ち込んだスノードロップ
→?
・辻村が言っていた過去の同じような事件とは
→奥様関連?

以上

前作がよすぎた。
今回はシナリオ的にもキャラ的にもシステム的にも外れた。次回に期待。