2011y08m05d_164036697.jpg

画像左下2番目。
アノニマス(mirage)の感想。
以下ネタバレ追記。
見せ方次第でここまで怖さを引き立てるとは・・・。演出って重要なんだと改めて実感した作品。
演出が螺旋の時よりも、さらに洗練されており螺旋以上の怖さを味わえた。
ただ、螺旋のような気味が悪い怖さではなく、本作は心臓に悪い怖さなので、人によっては不快感を抱くかもしれない。

中でも印象に残ったシーンは、
先輩が言ったんだよ?ENDの、由香の最後のセリフのエコー、妹の「嘘つき」のセリフとともに顔がアップする場面。
このシーンは、本当心臓に悪い。
基本自分はこういうサスペンスゲーは夜中電気消して、ヘッドフォンしてプレイするのでまじ背筋が凍った。横長の画面であることもあってまるで、ホラー映画みてるようだった。
それ以外の鳥肌の立ったシーンは、
綾の教室でのレ○プ画像流出のシーン、主人公の記憶が戻るシーン。
ここは怖さとは違った演出の秀逸さが光ったシーンだった。
演出に関していえば、完全に螺旋を超えたかな。

シナリオ構成はいつものマルチアングル視点。
由香視点は人間の根源的な負の部分をまざまざと見せつけられた。
ただ、本当にこんな事件にあったら、こういう汚い感情をむき出しにしてしまいそうだ。
太一視点は、シナリオ上の補完。特に目新しいものはなかった。ただ、また掘られるキャラいるのかよと一言。
沙希子視点は、正直蛇足。スキップするのを耐えるのが大変だった。これ入れるならハッピーエンドかムー君視点作ってください。

シナリオに関していえば、まさか妹が冒頭で死んでるという予想の斜め行く展開だとは思わなかった。
ただ尺が短すぎて名作になれる要素はあるのに、なりそこなった感があるのが残念でならない。
ムー君の背景設定や凶行の動機、各ヒロインのハッピーエンド、過去の滝野先生事件との関連、奇怪な村の設定など話を膨らませれば、かなりよくなると思うんだけどな。
というか夏葵とのちゃんとしたエンドなんでないんですかね。なんで最後が母親の妊娠エンドで締めたのかが謎。
予算が足りなかったんですかそうですか。
夏葵はメインヒロインなのに、救いようがなくしかも御座なりな扱いを受けてかわいそうだった。
冒頭で、主人公にシンクロして惚れたんで。魅力的なヒロインだったのにもったいなかった。

何はともあれ、螺旋回廊的なものが今後も出ることを期待。