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画像右上。見切れてる。
紅(light)の感想。
以下ネタバレ追記。
結局、紅ってなんだったのっていう最大の謎。
紅とは、突発的に発症するもので、自殺願望があり他人をその道連れとして巻き込んでいく狂的な思想をもつ輩と本編で説明されているがイマイチ解せなかった。

紅と冬也や睦月らの違いの線引きが曖昧だった。
姫野の叔父は結局人形だったらしいが、それがわからない段階で、冬也はこの叔父のことを紅と決めつけていたが、この叔父は終始冬也を狙っていただけで狂っているわけでもないので、紅とはいえないと思うんだがどうなんだろう。
正当防衛で紅と決めつけちゃいましたすいませんってことかね。

三章の沙綺や四章の晴香は、凶行を行っている最中、元の人格は存在するが、別人格のようになっていたのは二章の向井がいってた発症する段階で内なる新たな自分が目覚めているとかいってたことかな。
結局、本来の人格は何ら変化してないってことか?
それなら、紅も被害者ってことになるんだが、それとは別に鶏谷みたいな生粋の人種もいるのでまた疑問がわく。
なんにしろ、紅の設定という物語の根本がしっかりしておらず、ゆえに世界観が捉えづらく組織に関しても曖昧で、結果として作品全体が雑な出来になってしまっている。

また、睦月の思考が支離滅裂で理解不能だった。
ラスト後のエピローグでは主人公たちと和解し今まで通り生活しているが、いったいこれはどういうことか。
姫野の父親を操ったり、冬也を能力の吸収のために敢えて救ったり、亜梨子と接触させるという罠を敷いたりといろいろと翻弄していたにも関わらず、あんなあっさりと妥協していいのかって話。
これでは睦月が他人を無意味に巻き込みたがる人物にしかみえない。
紅に関しても同様にそう思ったけど。

ラストの後付け設定とかも何気に酷い。
亜梨子と実は子供の時会ってたとか無理がある。そんなエピソードを終盤に出されても困りますから。せめて何らかの回想を事前に用意しておかないと白けるだけかと。

作品全体としてみると、主人公の過去や亜梨子の素性等掘り下げればもっと話は広げられたかなあと惜しい出来でもあった。
ただ、テキストがただでさえ癖があり読み難いのにワンクリックで一気に画面全体に表示されるので読む気が起きなくなるのが難点。
そして、ストーリーの流れが紅出現→討伐の繰り返しなのが冗長さに拍車をかけている。

悪役の陳腐さも原因かな。向井とか二面性がありかなりいいキャラ設定だったのに、二章で生きのびてた意味がまるで皆無だったのには泣けた。
うまく使えば、睦月なんか軽く食えるキャラになれるのではと思うと残念でならない。
四章の晴香の彼氏とかも、背景に全く触れずに問答無用で退場、そして、最終章にちょこっと再登場とかされても困りますから。
もうちっとキャラ設定練らないと描写が足りなくてようわからんね。

以上

世界観やシナリオが雑で読み難いテキストではあるが、ワゴンで買ったにしては、それなりに満足できた作品だった。