MAGESの『CHAOS;CHILD』の感想でも書きますか<挨拶

今更ながらカオチャを崩しました。
なお俺とは致命的に相性が悪かった模様(死亡
※超ネタバレ注意



vita版でプレイ。
CSゲーなので勿論エロシーンはありません。
CG115(差分除く)。
QS/QS、Autoあり。
既読スキップあり。
バックログあり。

はい、科学アドベンチャーシリーズ第4弾
『CHAOS;CHILD』です。
今回はいつも以上にネタバレ全開で話します。
冒頭通り、俺とは相性悪かったですね…。
シナリオというよりむしろ尾上というキャラについて
かなりぶったぎっているので、
尾上が好きな人は見ないほうがいいです。

まず、シナリオ関連。
本編のシナリオは中盤から
主人公が追う側から追われる側に成り代わっていき、
劇的に話が盛り上がるので一気にプレイできました。
ただ、俺は尾上というヒロインに全く感情移入できなかったので、
事件の真相を知っても最後までモヤモヤ状態でした。

俺は正当防衛や使命、復讐等の理由付け、
人死が当たり前の世界観では肯定しますが、
基本的にヒロインであっても
殺人犯が罪によって罰せられる因果応報展開や
苦悩あるいはい贖罪する描写がないと納得できないんですよね。
リアルブートした尾上が主人公の願望を汲み取って
やったといわれても納得できないんですよね(2回目

また、猟奇殺人により
全く罪のない人達や身近な知り合いを
次々と殺していった実行犯の尾上に
感情移入できるか?といわれるとノーでしたね。
俺は感情論派なので、伊藤を操って結衣を殺し、
一部のルートでは口封じのために来栖も殺した時点で尾上はギルティーです。
特に結衣の事件はショッキングで猟奇殺人は佐久間の意向といっても
共犯関係だった尾上を許せるのかと自問自答しましたが、
やっぱり無理かなの一言。
それだけ非実在青少女のインパクトは大きかったです。
結衣が生きたまま解体された事実は消えない。ただただ悲しい。

主人公も主人公で平穏な日常を破壊され、
震災後の大切な家族2人を殺した人物を
自分の能力で尾上をリアルブートさせたから
何もかも自分のせいと全ての罪を被って
尾上を許すと言われても納得できないんですよね(3回目
そもそも尾上は主人公に近しい人物を巻き添えにしており、
その点に関しては主人公の深層心理とのズレが発生しており、
尾上を生み出した主人公が全て悪いのかと言われると否でしょう。

主人公のためだからといって
ゲームと評して連続猟奇殺人を計画するキャラを
許せと言われても納得できないんですよね(4回目
悪趣味な猟奇殺人の提案は佐久間によるものだから
しょうがないは正直、責任逃れですよね。
佐久間の思考誘導の脅威なので従わざるをえなかったという理由付けは
来瀬ルートをプレイすれば、あっさり闇討ちした時点で実は嘘だってわかります。
うーん、主人公のためという題目があれば、
なにやってもいいんですか許されるんですかそうですか。
というわけでメインヒロインに全く共感できなかった時点で
俺は『CHAOS;CHILD』と相性が悪かったということでしょう。

個別ルートクリア後に開放されるTRUEENDに関しては
主人公によって尾上は猟奇殺人事件を起こしたことを忘れるも
舞台のテキスト描写から察するにおそらく過去の記憶をある程度思い出します。
でも主人公の望みを汲み取って知らないふりをして
普通の女の子になりましたとさ。
…。
納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない納得できない

初回ルートのラストであったように
警官をぶっ殺して主人公を連れ出すENDの胸糞悪さも大概でしたが、
主人公の意志とはいえ、主人公が猟奇殺人の罪を全部肩代わりする
TRUEENDも同じくらい胸糞悪かったですね(暴言

そういえば、尾上が普通の女の子になったから
猟奇殺人に対する雑感が健常者と同じ考えになったので、
尾上の境遇では猟奇殺人事件を犯したのもしょうがない的な
遠回しの同情要素を醸し出す描写がありましたが、
だからといってそんな(以下略
まあ記憶を失った尾上が猟奇殺人犯だと誤認している主人公に対して
しきりに嫌悪感を示して糾弾する描写は
最高に皮肉がきいていて不覚にも笑っちゃいました(コラ
もし尾上に感情移入できていたなら、
あの場面で普通の女の子の反応になってよかったけど、
主人公のことを考えると切ないなあとしんみりしていたんでしょうね(遠い目

TRUEに関しては
カオスチャイルド症候群という
新事実が発覚したのは素直にびっくりました。
ラストに関しては前述通り、納得できなかったので
特に読後感で感動したとかはないです。

尾上が主人公の家族や友達を巻き込んだ事実がある限り、
尾上には感情移入できないんですよね。
そんな尾上を頑なに庇う主人公にも共感できず俺氏無事死亡。
罪を許すことを最初から結論づけていて思考停止していませんか。
ただ、結局は主人公が好きな女の子を救いたいからという理由付けで
諸々の罪を背負ったと言われれば返す言葉もないです。
俺は最後まで尾上を好きになれなかったので
主人公に共感できないのも当然か。

というわけで初回ルートクリア後は
尾上がしっぺ返しを喰らう展開を期待していたので、
来栖ルートが一番好みのシナリオでした。
来栖が屋上で尾上を論破するシーンは何回見てもスカッとするので、
途中セーブしてついつい何度も見ちゃいますね(コラ
尾上の潜在的な事件の動機に関しては主人公のためとはいいつつ、
自分のポジション確保と主人公の家族に対する嫉妬も混じっていたと指摘されて
図星をつかれるシーンは本作屈指の見どころだったんじゃないかな。

でも結局、最後は望みを叶えて逝ったのが残念でした(コラ
尾上はおそらく屋上で主人公の来栖への思いを知ったことで
佐久間を排除して主人公の前に自分が立ちはだかるように路線変更したわけで
その後の態度は露骨に来栖を煽っており、
演技感があったことからわかるように
結局は彼女の計画通りの幕引きなんですよね。
ぶっちゃけ尾上には初回ルートの11章のように
予想を裏切られて失意のどん底のまま退場してほしかったのに
満足げに逝ってしまったためこの死に様は非情に遺憾でしたね(リアルクズ思考
話の終わり方としては綺麗にまとまっているので、
来栖ルートが一番好みのお話だったかな。
というか俺の中ではTRUEはこのルートですね(オイ

来栖が隠していた過去の真相に関しては
主人公が過去に南沢の実験を覗いた時に
何故尾上がいなかったことを知っていたんだろう?と疑問に思っていましたが、
同一人物だったというのは予想していなかったので、
結構びっくりしましたね。
来栖の秘密に関しては
ぶっちゃけ尾上の猟奇殺人犯の事実と比べると、
彼女のやったことは全然許容範囲なので、
真相を知っても特に嫌悪感はなかったですね。
むしろ過去の悲惨さからして、元の自分に戻りたくなくて
偽るのはさもありなんの一言。

というか嘘をつかない=嘘をついたら裏切りというのは
主人公は極論すぎなんだよなあ。
自分が嫌われたくない、あるいは、
相手のことを慮って真実を告げずに嘘をつくというのを
来栖の1回目の嘘の判明時に理解していたのに、
再度、繰り返すのはちょっとどうなのかなあと。
まあ来栖も来栖で隠し事がどんどん出てくるので、
主人公は家族間の嘘をつかないという約束事に固執していることもあり、
不信感を募らすのもしょうがないっちゃしょうがないか。

ただ、ラストにBADENDにならず、
思い直してちゃんと和解するのでよかったよかった。
嘘まみれでも家族への愛は本物だったというオチでいい話だなあの一言。
カオスチャイルド症候群は解決してないですが、
佐久間も尾上も退場するし来栖は元の姿に戻るし伊藤は復活するし
主人公は家族と暮らせるしでいい事づくしで
やっぱり俺の中ではTRUEはこのルートですね(2回目

次、その他の個別ルートについて。
有村ルート。
ヒロインの中で有村は一番好みのキャラだったんですが、
2つのENDはどちらも結局、主人公退場&有村精神崩壊ENDなので、
そこはかとなく悲しかったです。
このルートは途中までギャルゲーっぽいベタな展開で
一時の癒やしだったので、余計に気持ちが沈みました。
うきルートと比べても負けず劣らずのBADENDだったなあと。

香月ルートは香月の能力によって全く展開が予測できなくなるシナリオに加え、
本筋の佐久間より上位に位置する委員会の人間と対峙、
前作主人公のナイトハルトの登場等、
他ルート同様、話の吸引力はありましたが、彼女は本筋に関わっていないので、
別にいてもいなくても問題ないキャラだったかな(小声

その他に事件のトリックに関しては
思考盗撮と思考誘導のコンボがチートすぎてなんでもありだったので、
ちょっと推理しようがないオチでしたね。
まあ前作も似たようなとんでも設定オチだったし、
その辺のトリック面は猟奇事件の話を盛り上げるための
ただの舞台装置みたいなもんなので別にいいです。
特殊能力やディソードを使った戦闘に関しても
前作同様、あくまでおまけみたいなもんです。

最後にクリア後の勢いで尾上のことを感情的になってぶったぎってしまったので、
冷静になってもう一回ニュートラルに考えてみます。

・そもそも尾上のリアルブートした経緯が主人公の両親への殺意だったので、最初から倫理観を欠如しているシリアルキラーということ。主人公のやりたいことを叶えさせるのが目的のため、深層心理では主人公の願いと彼女の行動は一致している、ただし手段は選ばないということ
・佐久間が考えた猟奇殺人事件の内容自体は悪趣味だと嫌悪感を示しているということ
・尾上の実年齢6歳で実質生まれたばかりの子どもということ
・尾上の能力は思考盗撮。相手と対話せずに思考が読める。つまり相手との相互理解が必要ない。それ故に自ら考える必要がない。そんな人間が他人に対して共感性を覚えるはずがない。故に造物者である主人公の望みを優先して他人に生死に対して無頓着になるのも仕方ない。目的を奪わないでという作中の台詞からあるように思考盗撮の能力の弊害ともいえるということ
・来栖ルートでわかるように彼女にも主人公のやりたいことを成就させる目的と自分が主人公の側にいたいという潜在意識、そのポジションが奪われる危機感、疑似家族や来栖に対する嫉妬がせめぎ合っており、彼女にも感情があるということ
・尾上はカオスチャイルド症候群にかかっていない。つまりカオスチャイルド症候群の生徒達と混じってあの歪な学園生活を送っていたということ
・もし佐久間に造反したとしても委員会や和久井という上位存在がいるということ
・主人公がカオスチャイルド症候群を復帰できたのは結果的には尾上のおかげということ
・上記から起因してTRUEでその他のヒロイン達がカオスチャイルド症候群から復帰できたのも結果的には尾上のおかげということ

こんな感じで羅列してみると、
尾上にも同情の余地や功績も多々あるのでしょう。
尾上の境遇に同情し、初回ルートの11章の慟哭や
来栖ルートの感情の吐露に心を打たれ、
TRUEの主人公の覚悟に共感できた人ほど
ラストの切ないシーンで涙すること間違いなしですね!
…。
俺も尾上が好きになれていたらなあ(遠い目


以上

気づいたら日付が変わっていました(定期
明日は積みゲー崩そうそうしよう。