健速氏に殺戮系は相性悪い気がする。
俺は命を賭けた手に汗を握る殺し合いや閉鎖空間ならではの武器やゲームに準ずるルール(本編ならJOKER、PDAの扱い)を期待していただけに、それがおざなりな扱いを受けていたことが残念だった。
特に第一章、二章ともに後半から殺し合いの部分が適当になっている点やJOKERの扱いや都合のいいような後付設定(階を上がっていくごとに存在する強力な武器、PDAの無駄な乱立、優希の経験者なので首輪を外せる等)には納得いかなかった。
どうやら健速氏は、いつもの如く作品のテーマを重視しており、殺し合いや謎解きにはほとんど力を入れていなかったようだ。
そもそも、その原因は主人公にある。主人公がズルをしない=殺しは絶対にしないと決心しているため、殺し合いの部分に期待をしたのが間違いだったのかもしれない。
しかし、OHPのキャラ紹介で「ズルはしてないつもりだったんだがな・・・」とあり、この主人公は殺しもするクールな主人公かなと想像してしまった。
まあそんなん勝手に解釈した自分がバカなんですけどね。
別にこのような自己犠牲的な主人公もいいんだけど、最後まで手を汚さずに都合よく行き過ぎている気がする。
どうせなら健速氏の今までとは違う作風を見てみたかった。
個人的には設定が閉鎖空間内の殺し合いなのだから、大切な人を守るために、苦悩しながらも人を殺すことも厭わない主人公であっても良かった。
そうでなければ、実際、守るべきものが守れるほど世の中甘くないと思う。
後、第二章は蛇足。
なんでこのヒロインが、最後まで生き残ってるんだろう?
あれだけの罪を重ねてきてのうのうと生き延びるとは。
特に自分を守ろうとしてくれている渚、高山、葉月などを躊躇なく殺した点はきつい。
これはある意味最悪のBadEndだな。
最後に、高山にはもっと活躍して欲しかった。
いい味だしてるのにどちらの章でもあっけなくやられる不運な役柄だった。